業界トップレベルの処遇と選択的週休3日制の浸透により、新卒採用は過去最高水準を達成しました。来期は、介護スキルに応じた処遇を可能とする「ケアエキスパートプロジェクト」に着手します。
「処遇改善」と「働き方改革」の推進による成果
介護事業において、経営の根幹をなすのは間違いなく「働き手の確保」です。需要が長期的に拡大する介護業界において盤石な人材供給力を実現できれば、事業として揺らぐことはありません。当社が同業他社と一線を画す採用力を維持できている理由は、「高い処遇」と「働き方改革」という、働く人々が求める条件に正面から応えてきたことだと認識しております。
当社では、少数精鋭の運営やDX化によって生み出した利益を現場職員に還元する仕組みを構築し、新卒採用における初任給は業界トップレベルの水準としています。さらに当期より、年収総額は変えずに賞与の一部を月給化することで毎月の手取りを厚くし、足元の生活基盤を重視する若い世代に響く給与体系へと刷新いたしました。
また、2024年10月から全ホームに順次展開した「選択的週休3日制」については、介護職員の65%が活用しています。選択制で全員に強制としないことで、働き方の自由度を高め、より多くの介護の仕事を目指す方にご応募いただけるようになったと感じております。処遇改善の効果は、離職率の改善や採用コストの削減といった財務面にも寄与しはじめております。
これらの取り組みの結果、2027年4月入社の新卒採用では、100名の採用目標に対して130名を超える方が採用候補となりました。業界として採用に苦戦するなか、当社では「理念や成長意欲に共感する人材に選ばれる企業」になるための仕組みづくりを一層強化してまいります。
精鋭化をさらに進めるべく「ケアエキスパートプロジェクト」を始動
来期からは、介護職員の「精鋭化」を次の段階に進めるため、業務の専門化・分業化を推進する「ケアエキスパートプロジェクト」の実証実験を複数のモデルホームで始動いたします。これは、介護スキルの高い職員が困難なケアを担い、そのスキルと業務に見合った処遇を提供する新たなチャレンジです。介護の世界では、経験を積んでも給与がほとんど上がらないという構造的な課題がありました。当社は、この構造を根本から変えたいと考えております。スキルが高く、やる気がある介護人材に選ばれることで、次の生産性革命を推進したいと考えております。
介護職員のスキル向上のため、教育・研修の仕組みも大きく変えております。研修センターでの座学中心の体制から脱却し、経験値の高い教育研修部員が各ホームに出向いて直接指導する体制への転換をさらに進めました。また、新規開設に重要な役割を担うホーム長のマネジメント力・営業力強化のため、経営トップが現場におもむき、レベルアップ研修を行っております。私は近畿圏を担当しておりますが、経営の想いも現場でこそ伝わるものだと確信しております。